キリスト教系の私立小学校を受験するにあたってまず心配になるのは、やはり宗教についてではないでしょうか。
ミッションスクールの中には、敷居の高さや謎めいた空気が感じられる学校が少なくありません。
信者や卒業生じゃないと受からないんじゃ…
そんな不安がよぎります。
そこで本日は「宗教は入学試験に影響するのか」という点について考察してみたいと思います。
カトリック小学校の見解
首都圏のカトリック校の見解を各校のHPから抜粋してまとめました。
雙葉小学校
ご家族や本人の宗教は、入学試験に影響ありません。
白百合学園小学校
ご家族を含め、宗教は入学に対して影響はありません。但し、入学後はキリスト教的精神に基づいた学校であることにはご理解とご協力をお願いいたします。
聖心女子学院本校
キリスト教の教えに基づいた人間教育を行う学校です。キリスト教による教育にご理解いただけるお気持ちがあれば、ご家庭の宗教は問いません。
光塩女子学院初等科
キリスト教徒であるか否かは入試の合否に関係ありません。光塩の建学の精神に賛同してくださるご家庭であれば結構です。入学後、信者の児童、希望者対象の「カトリックの教え」のクラスがあります。また、保護者対象の聖書のクラスも設けています。
暁星小学校
国籍や宗教による有利不利は一切ありません。ただし、キリスト教に基づく宗教の授業、カトリックの典礼として行う宗教行事への参加は、義務となっています。
目黒星美学園小学校
信者であることと試験の結果は関係はありません。本校の教育方針に賛同していただけるご家庭を望んでいます。
どの学校も「宗教は入学試験に影響がない」とはっきり書いていますね。
キリスト教徒だからといって有利になることも、他宗教だからといって不利になることもないということです。
プロテスタント小学校の見解
首都圏のプロテスタント校の見解を各校のHPから抜粋してまとめました。
青山学院初等部
キリスト教についてご理解いただくために教会や教会学校への出席はお勧めしますが、キリスト教信者であるか否か、また信仰する宗教によって合否が影響されることはありません。入学後もキリスト教についてご理解いただくために教会学校への出席はお勧めしておりますが、信仰を強制することは一切ありません。
東洋英和女学院小学部
ご家族の宗教は問いません。キリスト教と接したことがなくても構いません。ただし入学後の小学部キリスト教教育へのご理解とご協力が必要であることをお願いしています。創立以来土曜日を休日とし、日曜日の朝はそれぞれ家の近くの教会での礼拝を大切に守ることをすすめております。
青山学院大学系属浦和ルーテル学院小学校
本人やご家庭の宗教は問いません。学院ではキリストの教えを学び、教会に行くことを奨励していますが、信仰を強要することはありません。入学試験の際、信仰の有無が影響することもありません。
宗教は問わないという点については先ほどのカトリック校と同様です。
しかし、「教会学校への出席を勧めている」と書いています。これはカトリック校との大きな違いです。
プロテスタント系の学校の方が礼拝を大切にしている、または宗教色が強いと言えるかもしれません。
キリスト教徒は本当に有利にならないのか
過去にミッションスクールの面接で問われた質問などを見ると、このような質問がありました。
- キリスト教についてどう思うか
- カトリック/プロテスタントについてどう思うか
- 宗教校だが大丈夫か
普段全くキリスト教に触れていないと難しい質問ですよね。
つい本音が出てしまい
我が家は宗教はちょっと…
と回答をした方もいるとか。
「キリスト教信者である」というだけで有利にはならないけれど、このような質問が来たときに、キリスト教信者であることやキリスト教学校の卒業生は答えやすく、その分有利になりますよね。
また、信者であることを志望理由に絡めることで説得力のある志望動機が作成できます。
教会・キリスト教幼稚園からの推薦
教会やキリスト教幼稚園から推薦があるという噂話を聞いたことがあります。
うちの園はあの○○小学校(名門のカトリック校)に推薦があるのよ♪
と自慢している保護者もいました。結局その方のお子さんは公立小学校に通っていました。
結局その園に関しては本当に推薦があるのか真偽は不明ですが、私は○○小学校に合格した家庭に嫉妬した他の保護者が
推薦があったに違いない
と噂をしたのが始まりではないかと思います。
ただ、キリスト教信者の方は少なくありません。
狭い世界なので、聖職者の方とミッションスクールの先生方は何らかの繋がりはあるでしょう。
推薦がある可能性は否定できませんね。
まとめ
これまでのことをまとめてみました。
・信者かどうかは試験に直接関係ない。
・プロテスタント校は教会学校への出席を推奨している。
・キリスト教徒であれば、志望動機が作りやすい。また、面接でキリスト教関係の質問をされた際に答えやすい。
ミッションスクールを受験するために改宗する方までいるそうで驚きました。
それほどまでに本気度が高いのは凄いことですね。
ですが、だからといって子どもの6年間(もしくは12年間〜)の学校のために、ご自身や子どもの”一生モノ”である宗教に手をつけてしまうのはどうかなと思います。
受験にあたってはキリスト教に理解を示す程度で良いのではないでしょうか。
こういった書籍も参考になります。
雙葉中高、聖心女子大学を卒業された渡辺知子先生のベストセラーです
奇抜なタイトルですが、キリスト教学校を知るうえで参考になる真面目な一冊です。
参考になれば幸いです。
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